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ご縁に感謝—テックベジタスが取り組む「農業から始まる地域おこし」

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■ はじめに:ご縁に感謝しながら

テックベジタス株式会社は、沖縄を拠点に「農業から始まる地域おこし」をテーマに事業を展開している会社です。本記事は、これまでに事業活動を通じて知り合った企業様、パートナー様に向けて、私たちの活動の背景やビジョンをお伝えするためのシリーズ第1回です。


日々の商談やプロジェクトの中で、「テックベジタスさんって結局どんな会社なの?」「どのような未来を描いているの?」とご質問いただくことが増えました。本シリーズでは10回にわたり、弊社の全体像、具体的なプロダクト、利用者の声、事例や提携のあり方をご紹介していきます。まずはその第1歩として、創業の経緯や事業の全体像をお伝えさせていただきます。


■ 創業の背景:現場で感じた「豊作貧乏」という課題

私たちがテックベジタスを立ち上げたのは2022年のことです。その背景には、沖縄の農業現場で繰り返し見てきた「豊作貧乏」という現象がありました。


例えば、あるマンゴー農家さん(沖縄県南部)では、台風の影響を免れた年に大豊作となりました。ところが、出荷量が一気に増えた結果、市場価格が暴落。農家さんの収入は期待したほど伸びず、むしろ出荷コストや人件費で赤字すれすれになったのです。


このような状況はマンゴーだけではありません。葉菜類でも同様で、収穫が一斉に重なると市場での評価が下がり、逆に収穫量が減るとバイヤーが必要な数量を確保できず、店頭が空になってしまう。この「需給のアンバランス」が農業経営を不安定にし、取引先企業にも不利益をもたらしてきました。


■ 二つの事業領域:コンサルティングとDX

こうした課題を解決するため、私たちは二つの事業を柱にしています。


1.農業コンサルティング事業:農家の方々の現場課題を丁寧にヒアリングし、解決策を一緒に設計・実行する伴走型の支援です。農業経営は規模や品目、家族構成などによって課題が異なります。私たちは画一的な答えではなく、それぞれの事情に即した解決策を一緒に探します。


2.農業DX事業:農家のアナログ情報をデジタル化し、データベース化することで、買い手とシームレスにつながる仕組みを構築します。情報がデータとして蓄積されることで、販売計画や収穫予測に活かされ、バイヤーが必要な時に必要な量を確保できる環境を整えます。


この二つを同時に回すことで、現場の声とテクノロジーを融合させ、実際に使える仕組みを提供しています。


■ ビジョン:「植え付けたら売り先が決まる世界」

私たちが掲げるビジョンは「植え付けたら売り先が決まる世界」です。


農家にとって最大の不安は「作ったものが売れるかどうか」です。どんなに丁寧に育てても、販路が確保されていなければ収入は安定しません。逆に、バイヤーにとっての不安は「欲しいときに欲しい量を仕入れられるかどうか」です。この二つの不安を同時に解消する仕組みを作りたいと考えました。


そのための答えが、agrinex(アグリネクス)シリーズです。


■ agrinexシリーズとは

agrinexシリーズには複数のプロダクトがあります。


  • agrinex農業革命:生産情報をカルテ化し、収穫予測をバイヤーに共有するシステム。

  • agrinexハルモニ:B2Bの受発注と決済をシームレスに行えるマッチングプラットフォーム(大口取引)。

  • agrinexもぐしょっぷ:LINEを活用した予約販売型ECサイト(小口取引)。

  • agrinexもぐのーと:消費者が農産物に込められたストーリーを学び、応援できる仕組み。


これらは別々のサービスに見えますが、すべてが「生産と需要をつなぎ、地域に循環を生み出す」ためのピースです。


■ 事例紹介:農家と企業の協働

ここで一つ、事例をご紹介します。


沖縄県南部のあるパッションフルーツ農家さんは、出荷量が安定せず、これまで販路の拡大に苦労していました。テックベジタスと取り組んだのは「収穫予測カレンダー」の導入です。毎週データを更新し、バイヤーにシェアすることで、販促のタイミングを調整できるようになりました。その結果、特売時期と収穫ピークが重なり、前年に比べ売上が約20%増加しました。


この仕組みを導入したことで、農家は収穫に集中でき、バイヤーは販促の企画を安心して立てられるようになったのです。


■ 地域おこしとの関わり

農業は単に食料を生み出すだけではありません。雇用を生み、観光と結びつき、教育の現場にも影響します。テックベジタスは「Digital Halusa協同組合」と連携し、体験農園や観光プログラムも展開しています。


例えば、南部のある体験農園では、地域住民と、時には観光客が一緒になって畑を耕し、収穫体験を楽しみます。その背景にある農家の想いやデータをQRコードで提示することで、消費者は「買う理由」を持ち、農家は「伝える場」を得ます。これこそが、地域における農業の新しい価値創造だと考えています。


■ 今後に向けて

本記事はシリーズ第1回として、私たちの会社概要と全体像をお伝えしました。次回は「全体構想」について、より具体的に“植え付けたら売り先が決まる世界”をどのように実現するのか、そのロードマップを詳しくご紹介します。


テックベジタスは、農家・バイヤー・地域が一体となり、持続可能で魅力的な農業の形を作ることを目指しています。これからの数回を通じて、ぜひその全貌に触れていただければと思います。



<テックベジタス株式会社>

わたしたちテックベジタス株式会社は、ワクワクする農業ビジネスを創出するプロデュース集団です。


お問い合わせ

Tel: 090-3790-0532


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